ファッションというといわゆるファッショナブルなスタイルを思い浮かべるかもしれませんが、本ゼミでは多面的アプローチを通して、真面目に「ファッションとは何か?」を考えていきます。年度により講義テーマは異なりますが、哲学や社会学といった従来のアカデミックなアプローチに加え、ファッションビジネス、ファッションテック、サステナブルファッション、ファッションデザイン画、ファッションデザイン論、ファッションブランド研究、トレンド研究など、外部講師を招聘することで臨場感溢れるファッションの現場についてのインプットも同等に重視しています。これと並行して、学生による研究課題図書のプレゼンテーションを行うことで、学生ひとりひとりの関心と知識をゼミ全体で共有し、膨大なファッション領域の情報を効率的に学習できるよう配慮しています。ファッション専攻ではない学生たちが、1〜2年間という限られた時間内でファッションについて深く学ぶことは容易ではありませんが、少なくとも、オシャレすることだけがファッションではなく、むしろファッションはもっと意義深いものなのだということに気づいてくれる環境作りが大切だと考えています。このため前期授業では、講義テーマにそったインプットを中心に行い、ファッション研究における基礎知識や分析方法を中心に学びます。理論を上手に活用し、そしてまた批判することで、わたしたちの日常と切り離すことのできない服飾文化について、その可能性や問題点を共に議論していきたいと思います。一方後期授業では、奇数年度同様、学生ひとりひとりが卒業論文制作に向けて行っている個人研究についてプレゼンテーションを行います。互いに異なる関心領域を共有することは、新たな発見をもたらし、大きな刺激となるでしょう。